女子の団体決勝は、近年まれにみる接戦で、見応えのあるといい試合だった。
予選順位順にローテーションが組まれ、アメリカと中国が同じ班で前後に分かれての演技だったが、前半はアメリカがミスを出すと、中国にもミスがでて、アメリカが巻き返しに掛かると、中国も高得点を連発といった抜きつ抜かれつの状況が最後で続いた。 特に最終演技者のアメリカのメメルの床演技は久々に鳥肌の立つ演技内容だった。 彼女の得点次第で順位が入れ替わる可能性が僅かに残っていたものの、その差は16.350、逆転の可能性は限りなくゼロに近い点差だった。 しかし、彼女の演技はそれを忘れさせられるほど気迫に満ち溢れ、着地は床に吸込まれる様に見えた。 結果は15.500の高得点、逆転は叶わなかったが、中国の優勝が濃厚な点差の中、最後まで諦めないアメリカ選手の気迫あふれる演技は、言葉では表現しきれない感動があった。
上位2カ国がミスを連発する中、ルーマニアは得意種目で高得点を重ね、一時は1位をキープしたものの、3種目目に中国に抜かれ、4種目目の段違い平行棒が運命の分かれ道になった。 一方、3位通過だったウクライナは、得意の段違い平行棒スタートで有利に試合が運べるはずが、トップバッターのプロスクリナが落下、続くズゴーバも落下、最終演技者のクラスニャンスカが高得点を出し、続く平均台へ望みを繋いだが、平均台ではコジチが落下、ラストのクラスニャンスカが再び気迫の演技で高得点を出し、後半種目に望みを残したものの、後一歩及ばなかった。
最終種目で3位に滑り込んだロシアは、第1ローテーションの段違い平行棒から苦戦が続き、他国のミスに助けられた感がぬぐえないが、表彰式では晴れ晴れした表情をのぞかせた。 |