* 男子ヨーロッパ選手権 *
ルーマニアが独走で連覇達成!
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2年に1度開催されるヨーロッパ選手権がいよいよ開幕!
今年はオリンピックと同年開催となる為、前哨戦となる今大会はオリンピックへの影響が大きい。
そして、2004年の男子ヨーロッパ選手権は驚きと波乱含みでスタートした。
当初発表されたエントリーでは不参加だったロシアのネモフが直前の最終エントリーで 不調のボンダレンコに代わってエントリーされた。  今年3月のロシア選手権では復活優勝を遂げ、再びロシアのエースとして望む予定だったが、 ここ数年同様に大きな大会に向けての調整の悪さが浮き彫りになる結果となった。

シニア・チーム戦、第1ローテーション
前回覇者のルーマニアは高得点を揃え難い床スタートだったが、この種目を得意とするドラグレスクが9.725を出し、 チーム得点28.987で連覇に向けて好スタートをきった。  そして、ルーマニア同様に好スタートをきった2チームは以外にもドイツとベラルーシだった。  ベラルーシはゲントでの優勝から一変、アナハイムでは五輪出場権に僅か及ばす屈辱の13位に終わった。  王者奪回と屈辱を振り払う意味を持つ今大会はベラルーシにとって重要な意味を持つ大会になるが、 幸運にもスタート種目は得意のあん馬、チーム得点28.824を出し0.163の僅差で2位に付けた。  更に近年不振の続くドイツがつり輪で28.537を出し3位でスタートを切った。  一方、ネモフ率いるロシアは1位スタートのルーマニアと同組の床スタートだったが、得点が伸びず28.075で4位スタートとなった。

第2ローテーション
ルーマニアはあん馬のスペシャリスト王者ウルジカが9.800を叩き出し、 更には地味ながら堅実な演技で定評のあるスチウが9.737の高得点を出すなど2種目目で既に2位以下に1.238の差を付け独走態勢に入る。
ドイツは確実に点を伸ばして2位に浮上、一方ベラルーシも僅差で3位に付けた。
4位スタートのロシアは点が伸びず5位に後退、つり輪で得点を伸ばしたフランスが4位浮上した。

第3ローテーション
ロシアはつり輪ので得点を伸ばし3位浮上、得意の後半種目に望みを残した。
1位ルーマニアは変らず、2位には再びベラルーシが浮上、共に順調に得点を伸ばし他を寄せ付けない状況になりつつあるが、 ヨーロッパ選手権では、アナハイムの決勝同様に3-3方式を採用している為、 演技者3名すべての得点が反映される為、最終種目の最終演技者終了まで何が起こるか予測が付かない。

第4ローテーション
1位ルーマニア、2位ベラルーシは順調に得点を伸ばし、順位変動が起き難い点差になりつつある。
3位に上がったロシアとドイツ、更にはフランスが3位争いをする形になった。
ベレシュの事故死から1ヶ月半、弔いの大会であると共にオリンピックへの足がかりにしたいウクライナは、
第4ローテーションの鉄棒ではゴンチャロフが9.712の高得点を出し、 チーム得点種目1位を取ったものの第1種目で1位ルーマニアに2.913の大差を付けられてのスタートが尾を引いている。
第1ローテーションあん馬でのウクライナはゾズリアが9.687を出したものの、ベテランのスベトリチーニが8.437、
新星クワキンが7.950の大過失、種目順位は19位だった。
ゾズリアと共に2枚看板の1人であったベレシュの存在は、あまりにも大きく、彼の死の影響は計りきれない。
特に現行形式では予想以上の重圧が掛かる上、ロシア同様に若手が伸び悩んでいる感が否めないのも事実。

第5ローテーション
ここまで順調に得点を重ねたドイツが床で3名全員の得点が伸びず3位争いから脱落。 ロシアも平行棒でクリュコフが9.612を出したもののネモフは9.375に終わり5位後退、辛うじて最終種目に望みを残した。
ピリッとしないロシアにおいて、6種目すべてにエントリーしてきたクリュコフは1人安定した演技を続けている。
ただ、彼もネモフ同様ベテランであり、若手の伸び悩みが深刻な状況であるのは今大会でも浮き彫りになった。
ここでも好調のルーマニアとベラルーシの順位は変わらず、最終種目を残して1位と2位の差が1.477、
2位と3位の差が1.175と共に大差を付けていてる為、この2チームの逃げ切りが濃厚となった。

第6ローテーション(最終)
ここまで1位を独走したルーマニアは鉄棒での得点が伸びなかったものの6種目中3種目で種目1位を取り、
チーム全演技中でたった1つ出した8点台の最低得点が8.962と言う高レベルで確実な演技を終始つづけ、
2位に1.352の差を付けて連覇を成し遂げた。 更にうれしい誤算はベラルーシの復活だった。
ベラルーシの最終種目は床、ルーマニア同様に得点が伸びなかったものの、 6種目中1位が1種目、2位が2種目、3位が1種目、7位が2種目で2位に0.937の差を付けて堂々の復活2位だった。
ベラルーシに関しては1位ルーマニアに勝る全演技8点台ゼロの安定した演技は素晴らしいの一言に尽きる。
3位には最終種目の床で種目2位の得点を出したフランスが逃げ切り、鉄棒で点の伸びなかったロシアは僅かに及ばず、 0.235差で4位に終わった。
5位には第1ローテーションのつり輪での出遅れを残り5種目で追い上げたウクライナが入った。
2004年4月17日 World Gym Art
男子シニア団体リザルト ( PDF )
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